シットコムは、ぬるくて丁度。『チャーリー・シーンのハーパー★ボーイズ』


子供の頃、自分にとっての海外ドラマといえば、『600万ドルの男』みたいなSFものか、または『刑事コロンボ』に代表されるミステリー、そして『奥さまは魔女』をきっかけに夢中になったシットコムのいずれかだった。

シットコム、大人になった今も正直大好き。マイケル・J・フォックスの『スピン・シティ』や、『ダーマ&グレッグ』がお気に入りで、憎い憎い『フレンズ』でさえ、やってれば観て、そして不覚にも笑ってしまうほど、このジャンルには心底弱い。

ただ最近はリアル系ドラマに押されて人気がないのか、これといった新作がなかった。そこに現れたのが、『チャーリー・シーンのハーパー★ボーイズ』。マイケル・J病気降板後の『スピン・シティ』でコメディ演技のコツを思い出したかのようなチャーリー・シーンが、私生活を地で行く女好き酒好きの主人公を、肩の力を抜いて(手を抜いて?)軽く楽しくやってます(役名もまんま“チャーリー”!)。

笑いの基本的ネタは、ルーズで快楽主義のチャーリーと、兄とは正反対に潔癖症の弟アランとのギャップ。自由な独身生活を謳歌していたチャーリーの家に、このアランと10歳の息子ジェイクが転がり込んで来て……という筋立ては特に目新しくも刺激的でもないし、正直言って繰り出されるギャグも鋭さにかける弱火なものが多い。

つまりは過去の名作シットコムに比べれば、大した出来ではないのだが、気がつけば今夜もまた観てしまう“ぬるい”感じが、『ザ・ワイヤー』みたいなハード路線に疲れた今の自分には丁度いいのだと思う。

このドラマ、なぜかゲストが妙に豪華で、チャーリーの性転換した元彼女役でクリス・オドネル(ロビンだからこんな役?)、『ダーマ&グレッグ』のジェナ・エルフマンチャーリー・シーンの元嫁デニース・リチャーズ(出演時は離婚前?)などが、唐突に出てくるから驚く。

そういえば、チャーリーをストーカー同然に追い掛け回す、隣家のちょっと危ない女ローズを演じている女優。どこかで見たな…とずっと思っていたら、ピーター・ジャクソン乙女の祈り』でウィンスレットの相棒役だった、メラニー・リンスキーだった。


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スーパー!ドラマTV 海外ドラマ:チャーリー・シーンのハーパー★ボーイズ