2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『岳』とフィクションのなかの“死”

『岳』は、ボランティアの山岳救助隊員が主人公の“山もの”。この主人公が、よくある無垢な純真キャラというやつで少々鼻につくものの、なかなか質の高い作品だと思う。毎回、主人公が遭難者を助けたり助けられなかったりするというストーリーが基本パターン…

『トニー滝谷』を真夜中に観た

村上春樹の初期長編の主人公である「僕」ほど、読んでいて顔が想像できない登場人物もいない。考えてみると、主人公の外見に関する描写が極めて薄い分、読者が自分を投影しやすいというのも、春樹人気の理由のひとつなのかもと、今更思ったりもしますが…。春…