タイツを履かないX−MEN『HEROES』


去年から少しずつ観ていた『HEROES』、第1シーズン全23話やっと観終わりました。

『ER/緊急救命室』以来、一般的になった複数の登場人物のエピソードを並行して描く群像劇スタイル。ドラマの底流に謎の組織の陰謀が潜むミステリアスなムードは『Xファイル』、毎エピソードのラストをクリフハンガーで終わらせ視聴者の興味を持続させる手法は『24』と、90年代以降のヒット・ドラマの要素を抜け目なく盛り込みつつも、全体の完成度は高いのでは。

アメコミ・ヒーロー的設定をリアリズムで描くというアプローチは、斬新なようでいてどこかでやってたな……と考えてみると、こちらはコメディなのでタッチはまったく違うものの、『UFO時代のときめき飛行 アメリカン・ヒーロー』(The Greatest American Hero) を思い出した。臨時雇い(だったか?)の高校教師という仕事と、スーパーヒーローとしての使命の間でもがき苦しむ設定が当時とにかく面白かった記憶が。あと漫画でいうと藤子・F・不二雄の『中年スーパーマン』ですか。

今回の『HEROES』でむしろ斬新なのは、それぞれ異なった力を持つ超能力者たちが、世界を救うという大義名分にはほとんどのキャラクターが目覚めず、もっぱら能力ゆえの苦悩も含めた自分を取り巻く個人的問題に関心が向いている点だと思う。これも、よく考えればその方が自然なのだけれど。個人的にも、一番ぐっときたのが血のつながらない親子である、不死身のチアリーダーとそのワケアリ親父のドラマだったりする。

ともあれ、あまりに進まない展開に第2シーズンの途中で放棄した『LOST』に比べ、エピソードが進むにつれ、序盤で提示されたミステリーに一応の謎解きが示されるので、飽きずに観られた。

エリック・ロバーツやマルコム・マクドウェルなど、プチ大物ゲストの登場にはびっくり。
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アメリカン・ヒーロー DVD-BOX 1

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