キャラ立ち抜群!『クリミナル・マインド FBI行動分析課』


『CSI:科学捜査班』が鑑識班なら、こちらはプロファイリング・チームが主人公。1回の放映分で複数のエピソードを扱うことが多い『CSI』に対して、『クリミナル・マインド』はひとつの事件をじっくりと描く。同じCBSでの放送ながら作品のタッチもかなり違い、細かいカット割とCG多用のビジュアルが目立つ『CSI』に比べ、『クリミナル〜』は残酷描写はエグくても落ち着いた昔ながらの作風である。

あくまで僕の感想だが、最近の『CSI』の複数エピソード方式は、内容に厚みを持たせるためというよりも、個々のエピソードの薄さをカバーするためや、飽きっぽい視聴者の興味を繋ぎ止めるためだけのような気がして、最近は録りためた『CSI』シリーズは放置し、『クリミナル〜』ばかり観ていた。

シナリオのレベルは毎回高い。物語の基本構造は、ベテラン・プロファイラー、ジェーソン・ギデオン率いる行動分析課に未解決の事件が持ち込まれ、プロファイリングによる犯人割り出しと、犯人の凶行との追いかけっこが始まるというもの。事件が起こると全米各地、ときには国外までチームごと小型ジェットで捜査に赴くという設定のため、事件のシチュエーション、犯人像は様々で、ワンパターンに陥らない工夫がある。お約束として冒頭と締めに、ギデオンのモノローグとして入る「有名人の格言」も何気に楽しみだったり(「ジョージ・オーウェル曰く…」など意表を突く人選)。

こういう集団捜査ものではお決まりだが、チーム個々のキャラクターが立っているのがいい。個人的に好きなのが、まだ20歳そこそこなのに3つの博士号を持つという天才少年ドクター・スペンサー・リード(『ライフ・アクアティック』のチョイ役の人?)。基本、頭脳派でひ弱な彼が、勇気を振り絞って直接凶悪犯と対決するエピソードは燃えた…。

あと、『ダーマ&グレッグ』のグレッグでおなじみトーマス・ギブソンも、グレッグ役とはまったく違う凛々しいチーム・リーダー役で出てます。ギデオン役のベテラン声優、有本欽隆の芝居も毎回シブイ!


『クリミナル・マインド FBI行動分析課』オフィシャル



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