『デクスター〜警察官は殺人鬼』シーズン２の出来映えは……？

シーズン１のストーリーがあまりに完璧だったのでそのまま完結した方が良いのでは？　とさえ思った『デクスター』だが、重い腰をあげてようやく観たシーズン２がまた違った角度で面白く、あっという間に全１２話を見終えてしまった。

これまで、殺しては海に捨てていた無数の死体が偶然発見されたことから窮地に陥るデクスター。しかもその捜査チームに自らが加わらなければいけない、というジレンマがまず面白い。

ほぼ毎回登場する悪人をデクスターが「処刑」するというシーズン１のフォーマットから離れ、シーズン２では「感情」に目覚めていくデクスターと周囲の人物との関係の変化を追う、ミステリーより人間ドラマの部分に重点を置いた作り。まさか三角関係にマジで悩むデクスターが見られるとは……。

一方サスペンス面では、とにかくデクスターの追い詰められっぷりが半端でない。観ているこちらが「それ見つかっちゃオシマイだよ！」という決定的物証まで押さえられてしまう展開から、意外な救いの手が差し伸べられるアクロバット的ストーリーは、複数の脚本家が絶体絶命のピンチをいかに切り抜けるかを互いに考えたという『隠し砦の三悪人』方式を採用しているのでは！？　と思ったほどの出来映えだ。

レギュラー陣以外の俳優では、地元捜査班に送り込まれた敏腕エージェント役のキース・キャラダインが、その切れ者っぷりをさりげなく表す好演で魅力的。蛇足になるが、シーズン１の連続殺人班の呼称「Ice Truck Killer」といい、今回の「Bay Harbor Butcher」といい、このシリーズの“殺人鬼ネーム”はいつもカッコイイ！

※さらに蛇足……デクスター役マイケル・C・ホールと、その妹役ジェニファー・カーペンターが去年結婚していたとはビックリです。

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