主役は“人間”のゾンビ・ドラマ『ウォーキング・デッド』


ゾンビもの米ドラ『ウォーキング・デッド』を延々と鑑賞。なんとか最新作であるシーズン3の第8話まで辿り着きました。企画者フランク・ダラボンが降板したというシーズン2の途中から少しシリアス味が薄まった感はあるけれど、とにかく有無を言わさず視聴者を引っ張るストーリーの面白さは大したもの。

主役の元保安官を演じるアンドリュー・リンカーンの情感あふれる熱演もさることながら脇役の存在感も素晴らしく、『ヘンリー』でお馴染マイケル・ルーカーや英国俳優デビッド・モリシーら通好みのキャストがいい味出してます。

個人的にはシーズン3から登場した新キャラクターで、ゾンビの従者(?)を引き連れ、日本刀を振り回す寡黙な女剣士ミショーンがお気に入りw。ゾンビものではあるけれど主役は完全に生存者である「人間」。本当に恐ろしいのも人間の猜疑心や嫉妬、執着であることを本気で描いた作品です。

ウォーキング・デッド シーズン3

POV超能力映画『Chronicle(クロニクル)』


噂の超能力映画『Chronicle(クロニクル)』をUK版ブルーレイでやっと観た。日本未公開作を「やっと観た」というのもおかしいけど、そ
れだけ一部では話題になっていた作品。
POV(Point of View Shot)という手法は今風ながら、青春期の鬱屈を超能力と絡めた内容は『キャリー』の系譜に連なる、むしろ定番的なもの。

POVを使う意味も、前半は、リアリティーの追求よりも超能力を手にした少年たちの高揚を共有する効果の方が大きい。この映画が凄いのは、一転して超能力暴発の大スペクタクルが展開する後半部分。街頭の監視カメラ、パトカーの車載カメラ、野次馬の携帯カメラ、TVのニュース映像などをこれでもかと駆使して、あまり観たことがないほどの臨場感を演出することに成功している。大友克洋童夢』を実写化したら、こんな感じになるのではないだろうか。

主人公のイジメられっ子とその従兄弟の同性愛的ともいえる濃密な関係が物語の軸となっている点も面白い。映画ではないが、日本の超能力コミックの最先端であろう、森 恒二『デストロイアンドレボリューション』(ヤングジャンプコミックス)と、鬼頭莫宏なにかもちがってますか』(アフタヌーンKC)の2作も、まさに少年2人のコンビを主人公としており、これには奇妙なシンクロニシティを感じる。



デストロイアンドレボリューション 1 (ヤングジャンプコミックス)

デストロイアンドレボリューション 1 (ヤングジャンプコミックス)

なにかもちがってますか(1) (アフタヌーンKC)

なにかもちがってますか(1) (アフタヌーンKC)

バランスを崩した2人の主人公〜『HOMELAND/ホームランド』


FOXCRIMEで放送されたポリティカル・サスペンス・ドラマ『HOMELAND/ホームランド』。期待よりずっと面白くて、シーズ
ン1・全12話を一気に観てしまった。

製作・脚本の中心となっているのは、『24-TWENTY FOUR』のアレックス・ガンザらだが、“テロとの戦い”を題材としている点は『24〜』と同じでも、作品のタッチはまったくと言っていいほど違う。『HOMELAND/ホームランド』には、派手な銃撃戦もカーチェイスも登場しない。二転三転するプロットの緊張感は十分楽しめるものの、メインはアクションではなく、屈折した主要人物たちが織り成すヒリヒリとした心理劇である。

イラク戦争下で捕虜となり、数年の投獄を経て発見・救出されたアメリカ軍海兵隊ブロディ軍曹。そんな彼を、実はアルカイーダに転向したテロリストでないかと執拗に疑うCIA作戦担当官キャリー。

視聴者は、キャリーと共にブロディ軍曹が敵か?味方か?を見極めようとする。ところがこのドラマでは、正体不明のブロディ軍曹以上に、精神的に危うい側面を抱えたキャリーのキャラクターの方がむしろ視聴者の不安を煽る。

テロという大状況を扱いつつ、それぞれバランスを崩した2人の主人公が激しく引き合い、ぶつかり合うパーソナルな物語であるのがとても面白い。

映画では長い間ぱっとしなかったクレア・デインズだが、今回のキャリー役は爆発的なインパクト! 決して好ましい人物の役柄ではないくせに、キャリーが次に何をするのか目が離せなくなる狂気の熱演で魅せる。脇役では、『クリミナル・マインド FBI行動分析課』のギデオン捜査官でお馴染マンディ・パティンキンが、キャリーの恩師で唯一の理解者を重厚に演じていて、とにかく素晴らしい。

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Thu, Oct 25

  • 21:51  Kindle Paperwhiteが213gで文庫本の平均が160gだそうだ。自分の場合1冊の文庫を読むのに通勤時や休憩中を使い3〜4日はかかる。読んだらまた別の本を持ち歩くので電子書籍の必要性を感じない。置場所に困る『藤子・F・不二雄大全集』電子版が欲しい。でもその商品はない。

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Fri, Oct 19

  • 04:35  6歳の姪っ子は何でも即座に記憶してしまう年頃。最近はオタクな父の影響か、女の子なのに円谷怪獣に夢中。自分と弟が特撮談義をしてるのを横でじっと聞いていた姪っ子。翌日唐突に「おじちゃん、バルタン星人ってセミ人間を改造したんだよね!」ってマニアックにも程がある発言。嬉しいやら心配やら。

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Mon, Oct 15

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