ヒッピーに捧ぐ

RCサクセションで特に好きな曲を、いま思いつくままに挙げてみよう。
「雨あがりの夜空に」「トランジスタラジオ」「つ・き・あ・い・た・い」「スローバラード」などのヒットメドレーも、もちろん体の一部のように馴染んでいるけど、それ以外で。



・ヒッピーに捧ぐ
・君が僕を知ってる
・ラプソディー
・よそ者
・冷たくした訳は
・うわの空
まぼろし
・エンジェル
多摩蘭坂
・三番面に大事なもの
・君はそのうち死ぬだろう


まだきっといっぱいある。
「ヒッピーに捧ぐ」のなかにこんな歌詞がある。


電車は動き出した
豚どもを乗せて
僕を乗せて


「豚どもを乗せて」と大人への青臭い軽蔑を表明するところまではよくあるが、「僕を乗せて」と、自分自身も「豚ども」の一員であることを実は自覚しているクールさこそ、清志郎が書く歌の魅力の本質だったと思う。


世界の建前の息苦しさに窒息しそうになっていた高校生の自分にとって、大人の嘘に対する軽蔑をこういう方法で表しても構わないのだというバトンは、痛快であり、どんな説教よりも救いだった。


もちろん、当時そんな分析をしてRCを聞いていたわけではなく、ただただ好きで仕方がなく、ソニーのカセットテープに同級生の女の子が録音してくれたアルバムを旧式ウォークマンで繰り返し再生していただけだけれど。


しばらく聞いていなかかったRCだが、最近のソロ「GOD」「KING」は期待してなかったわりに良かった。たぶん、これから何度も聞くことになるのだと思う。