小説

西村賢太『小銭をかぞえる』想像を超える「最低」ライン

13:54 西村賢太『小銭をかぞえる』(文春文庫)読んだ。同棲中の女との揉め事×2本。主人公の最低ぶりが不快を超え愉快に感じられるのは、どんでん返しのごとく読者の予想する「最低」ラインを軽々上回る「最低」が飛び出して来るためか。無論流れるような語…

西村賢太『どうで死ぬ身の一踊り』『二度はゆけぬ町の地図』

23:46 西村賢太『暗渠の宿』に続き、『どうで死ぬ身の一踊り』『二度はゆけぬ町の地図』読んだ。いちいちタイトルがいい。次は今まで読んだ事なかった車谷長吉に手をつけよう。まずは『赤目四十八瀧心中未遂』。出だしからして既に引き込まれている。 どうで…

怪作『パラノーマル・フェノミナン2』

00:01 『パラノーマル・フェノミナン2』観た。1を借りたのにツタヤが間違えたか2が入ってたため。「怪談新耳袋」の村上賢司監督でフェイクドキュメンタリーの短編が2本。1本目は廃墟のラブホテルが実質的主役。ロケ場所の陰惨な雰囲気が一番怖い。ラブホ…

福澤徹三『死小説』

00:01 福澤徹三『死小説』読んだ。長編『壊れるもの』の原型『降神』も収められた短編集。『降神』は福澤徹三お馴染みの中年男の絶望に怪異が寄り添う物語。長編版よりラストの切れ味は鋭い。題名からして秀逸な『憎悪の転生』は死と生のサイクルを強烈なイ…

福澤徹三『再生ボタン』

22:17 まだ続いていた個人的・福澤徹三ブックフェア。福澤徹三『再生ボタン』(幻冬舎文庫)読んだ。デビュー作『幻日』を大幅リライトした短編集。オリジナルは未読だが、怪談のテープ起こしというフェイクドキュメント的設定が効いてる『怪の再生』をはじ…

福澤徹三『壊れるもの』亡者の家』

23:50 現実逃避したいときに限って、自分の現実と地続きの嫌なものを読みたがる謎のクセ。 23:38 続いてまたも福澤徹三『壊れるもの』(幻冬社文庫)読む。やっと買った郊外の一軒家に妻・娘と住むデパート勤務の四十男が出会う怪異。ホラーと銘打っているも…

更新変わりに読書メーター

6月の読書メーター読んだ本の数:3冊読んだページ数:531ページトム・ゴードンに恋した少女 (新潮文庫 キ 3-55)「森で9歳の少女が遭難する。彼女は助かるか?」というプロットのみで、一瞬も読者を飽きさせないキングの筆力。読了日:06月29日 著者:スティ…

携帯ゾンビホラー『セル』はキングらしい力作

かつては出るたび欠かさず買い込んでいたスティーヴン・キングの新作長編だが、90年代に入ってからあまり読まなくなってしまった。刊行のペースの早さに追いつけなくなったということもあるけれど、たまたま手にした作品『骨の袋』があまり面白くなく途中で…